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ボードゲーム制作サークル「遊陽ゲームズ」のブログ

『ギブトレ』ってどんな面白さを味わえるボードゲームなの?

この記事は、9月7日からクラウドファンディングを開始する『ギブトレ - GIVE ME THE TREASURE -』に興味を持ってくださった方向けに、より具体的にゲームを知っていただくことを目的に執筆しました。少し詳しめにゲームシステムとそこから生まれる面白さについて書いています。また、リメイク元の『ガラクタリウム』からブラッシュアップしたポイントについてもご紹介します。
※記事内の画像は全て開発中のものとなりますので予めご了承ください。

【目次】

ストーリー

「こっちのほうが、たぶん得。」

ある日、盗賊団の幹部であるあなたたちは、"お仕事" で手に入れたオタカラを分け合うことになりました。けれども、誰よりもズルいあなたは他の幹部よりほんの少しだけ得することをもくろみます。

相手よりもできるだけ得できるようにオタカラをうまく山分けしつつ、時には助っ人の力を借りながら一番最初にお金持ちになる事を目指しましょう。

盗賊団がひと仕事終えた後のお話

システムの概要

ゲームの大枠についてイメージを持つために、まずはPVをご覧下さい。 https://youtu.be/1umLIZL_Mek

ギブトレのゲームシステムには、「ケーキの切り分け」「二者択一のドラフト」「セットコレクション」「ハンドマネジメント」などの要素が入っています。プレイヤーは2チームに分かれ、オタカラカードを集めてポーカーの役のような「セット」を作って換金することで勝利点を稼ぎ、いち早く30点を獲得することを目指します。オタカラカードは相手チームが提示した2択から1つを選ぶことによって獲得でき、あなたのチームが獲得しなかった方の択は相手チームが獲得します。この "択" とは5枚のオタカラカードを2つの束に分けたものなのですが、5枚のうち1枚は裏向きにして提示され、どんなオタカラかは分かりません。このような「2択の提示」と「択の選択」を交互に行ってゲームが進行します。

相手チームは何のカードを裏向きにしたのだろう?どっちが得だろう?

ゲーム体験の特徴

ギブトレのゲーム体験の特徴は、初回プレイから深い駆け引きを手軽に味わえることです。…と言ってもよく分からないと思いますので詳しくご説明します。

突然ですが、駆け引きの面白さとは何でしょうか?
互いに相手が何を考えているのか予想し、自分が相手を出し抜けているかどうかハラハラドキドキしたり、結果的に同じことを考えていて心が通じ合ったと感じられたり…。駆け引きの醍醐味とは「相手について深く考え、理解すること」とその過程で体験する驚きや発見であり、コミュニケーションの楽しさではないか、と僕は考えています。

ギブトレのシステムはこのエッセンスをギュッと濃縮しています。
「一方が2択を提示し、もう一方が選択する」というシステムは相手の選択と自分の損得が直結しているため、2択を作る側は「相手にとってどちらの選択肢がより魅力的に見えるか」を中心に考えることになります。択を選ぶ側は、相手がどういう考えでその2択を "出題" したのかに思いを巡らせ、択の選択でもって問いに対する "回答" を出すことになります。ギブトレでは、このような2択を通した「"出題" と "回答"」というキャッチボールを交互に行っていきます。

一回の山分けで扱うカードはたったの5枚ですが、裏向きの1枚とお互いの場によって、シンプルながら深い駆け引きが生まれます。プレイヤーが現在所持しているオタカラカードは全て公開されているため、お互いに作ろうとしているセットや欲しいカードは丸わかりです。また、それまで獲得したオタカラカードによって、特定のカードが持つ価値が自分と相手で異なります。その中で、2択を出題する側はどのカードを裏向きにするか?に、択を選ぶ側はなぜそのカードを裏向きにしたのか?に思考を巡らせることになります。

しかも、このどちらも悩ましいキャッチボールを高速で楽しむことができます。各ラウンドの手順は基本的に「2つに分ける→選ぶ→セットを作る」の3つしかないので、悩む時間はあれどゲーム自体はサクサク進行します。何度もキャッチボールをする中で、プレイのコツを掴めるのはもちろん、「堅実タイプ」「博打好き」「意外性を求める」など相手のことをさらによく知ることができるでしょう

だんだん考え方の傾向が見えてくるかも?

このように「"出題" と "回答"」のキャッチボールが高速に行われることがギブトレのゲーム体験の特徴です。冒頭で「初回プレイから深い駆け引きを手軽に」と表現したのはこういった理由からです。

ここまで読んで、もしかしたら「ちょっと難しそう…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。そんな方はぜひ「ガラクタリウム プレイ感想まとめ」を見てみてください。ギブトレのコアのシステムはガラクタリウムと同様なので、ゲームの手軽さや面白いところなどを想像いただけるかと思います。

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『ガラクタリウム』からの変更点

前述のように、ギブトレは『ガラクタリウム』のリメイクであり、根幹のシステムを踏襲しています。(『ガラクタリウム』については前回の記事サークルHPをご覧ください)
しかしながら、その細部や周辺要素は、より多くの方がこのシステムに親しめるようにブラッシュアップしました。主な変更点は以下の通りです。

  • 手番を同時に行えるようにしてさらにサクサク進行に
  • キャラクターカードに手軽さとコンボ要素を付与
  • 「再探索カード」の効果にワクワク感をプラス

以下、いわゆる「デザイナーズノート」的な、ゲームデザイン上の意図が多分に含まれた内容になっているため、読みにくい/分かりにくいところがあるかもしれませんがご容赦ください。

手番を同時に行えるようにしてさらにサクサクに

ラクタリウムでは、プレイヤーは1人ずつ順番に手番を行う必要がありました。これは、相手プレイヤーに干渉したり意思決定に影響を与えたりするカードや、複雑で面白い効果のカードを実装できるメリットがありましたが、デメリットもありました。
誰しも新たに手に入れたアイテムはすぐに手元でいじりたいものです。相手の手番終了を待たなければならないことは、早くプレイしたくてうずうずする状況もあったのではないかと思います。

そこでギブトレでは、キャラクターカード(助っ人カード)の効果を調整して同時に手番を行えるデザインにしました。引き換えに1枚のカードに実装できる効果の幅(複雑度)は減少しましたが、その分だけ別の良さ・楽しみを付与することにしました。

キャラクターカードに手軽さとコンボ要素を付与

ラクタリウムにある5枚の「探索者カード」は、いわゆる切り札カードであり、ゲーム終盤の駆け引きを盛り上げる重要な要素でした。ガラクタリウム制作当時の方針が「少ないカード枚数で手応えのあるプレイ感」だったこともあり、探索者カードはゲーム展開に積極的に介入できるようなデザインがされていました。また、勝敗を左右する強力なカード揃いだったため、プレイヤーが1ゲーム中に使える探索者カードは1枚だけでした。

相手に直接干渉する効果も。

ギブトレの「助っ人カード」は総枚数を増やし、1チームで2枚を使うことができるようになりました。1枚あたりの強さは下がった代わりに、以前より手軽に使え、2枚で簡単なコンボができるようなゲームデザインとし、これまでになかった楽しさをプラスしています。

「再探索カード」の効果にワクワク感をプラス

ラクタリウムに存在した「再探索カード」は、捨て札になったカードを山札に戻して切り直すことができる効果を持っていました。

ラクタリウムの再探索カード

ゲームデザイン的には山札切れ以外のタイミングで山札のリシャッフルを起こし、ゲーム展開が単調にならないようにする役割を持っていました。また、ゲームプレイ的には直接得点には繋がらないものの、一部のキャラクターカードとシナジーがあったり、捨て札にある欲しいカードを山札に戻す戦術がとれたりといった「いぶし銀」のカードでした。

ギブトレではこれを「お仕事カード」という名前で効果もリニューアルされています。

もう一度盗みに入るぞ!

フレーバー的には、「もう一度盗みに入ってオタカラを補充し、ついでにオタカラを1個くすねる」カードです。発動タイミングを選べなくなった代わりに、もれなくカードを1枚引ける効果が付いています。制作チームではこの効果を使うことを「ガチャ」と呼んでいました。

この効果により、お仕事カードが含まれている2択では、この「ガチャ」を引くことまでを踏まえた選択を迫られることになります。山札にはだいたい15%程度の確率で「呪いの絵画」というデメリットカードが入っているので、無用なリスクを避けるべきか、もしくはまだ見ぬ1枚に夢を追うか、という悩ましさとワクワク感が生まれました。

ギブトレってどんな人にオススメ?

ゲームのプレイ人数によってプレイ感はすこし変わってきます。

2人プレイ(1対1)では相手との駆け引きをしっかり楽しむことができます。『バトルライン』、『ロストシティ』などの対戦ゲームが好きな方にはこのモードがオススメです。また、遊陽ゲームズの過去作『忍尾将棋』、『イビルパクト』、『イビルフロント』が楽しかったという方には特に自信を持ってオススメします。

一方、3~4人プレイ(チーム戦)ではチームメイトと相談しながらワイワイ楽しめます。ボードゲームが初めてという方やまだ小さなお子さんでも、チームメイトと一緒にプレイすることで楽しく遊ぶことができると思います。裏向きカードによるブラフ要素があることで、適度に頭を使いつつもカジュアルに楽しむことができます。『コロレット』、『スカル』、『ごきぶりポーカー』、『宿命の旅団』などのブラフや駆け引きを好む方が次に遊ぶゲームとしてもオススメです。

おわりに

最後までお読みありがとうございました。ギブトレを「面白そう」「やってみたい」と感じていただけましたら幸いです。

『ギブトレ』Kickstarterページはこちら→ https://www.kickstarter.com/projects/susabigames-lite/give-me-the-treasure:title