SUSABI GAMES

ボードゲーム制作レーベル「遊陽(すさび)ゲームズ」からの情報を発信します。

twitterで自作ボドゲのRTキャンペーンやってみました

8/1~8/8にかけて、サークルとしても個人としても初めてプレゼントキャンペーンを実施しました。ご参加頂いたみなさま、誠にありがとうございました。

本記事は、手探りでやってみたRTキャンペーンのレポートです。今後同様の取り組みを検討している駆け出し同人ボドゲサークルさんのヒントになれば幸いです。(遊陽ゲームズはゲムマ2019春で初出展、キャンペーン開始時点でフォロワー600人程度の規模感のサークルです)

目次

経緯・目的

以前開催した 忍尾将棋 の交流会は「感想戦・考察の楽しさ」をコンセプトとして開催しました。 susabi-games.hatenablog.com

また、忍尾将棋における戦術の考察についてはこちらの記事で触れました。 susabi-games.hatenablog.com

基本的に、対戦ゲームは一緒に考察してくれるプレイヤーが多いほどゲームが面白くなるはずで、その楽しさをお手軽に提供できるのが忍尾将棋の良いところだと思っています。ただ、ゲムマ2019で頒布した数は限られておりそもそも持っている人も知っている人も少ない状況です。現在イエローサブマリンAmazonでの販売で「欲しいと思ったときに購入できる」ように準備を進めていますが、今回は 知ってもらうこと を目的にプレゼントキャンペーンを実施することにしました。

実施方法

キャンペーンの概要

オーソドックスにフォロー&RTで応募完了というやつです。最悪50RTくらいしかされずに終わるかもと思っていたので、17人に1つくらいあげてもいいやという気持ちで当選者数を3に設定。開催期間は C96 向けのサークルチェックが盛んになるであろう 8/1(木)~8/8(木) にしました。

プロモーション

RTキャンペーンのプロモーションとして意識したことは3つです。

1. どんなゲームか知ってもらうために、きちんと情報の導線を用意する

「知りたい」と思ってくれた方がすぐに情報にアクセスできるように意識しました。文字数制限によって1ツイートでは全部の情報を入れるのは難しいので、キャンペーンツイートのすぐ下に返信で情報を追記しました。

2. 固定ツイートにも情報を集約

RTキャンペーンツイートの返信に気付かずにプロフィールに飛んでくる方も多くいることが予想されたので、固定ツイートにもまとめ情報を充実させました。実際、twitter analytics のツイートアクティビティを見てみると、当該ツイートからプロフィールへのクリックは 228回 あったようです。

また、キャンペーンを知らずにプロフィールに来てくれた方のために、固定ツイートからキャンペーンへのリンクも貼りました。

3. リマインドや補足情報をコメント付きリツイートする

既存のフォロワーさんでもたまたまtwitterを見ている時間が合わなくて気付いてもらえない、ということがあるので1日1回くらいを目安に複数回ポストしました。

集計方法

RT数が全然予想できなかったものの「せいぜい数百RTだろう」ということで、参加アカウントの情報をこまめにスプレッドシートに書き写していました。くそアナログですね。結果的にはそれでも問題なかったです。

スプレッドシートに書き写すときにはフォローしてくれた人のプロフィールやタイムラインを拝見させて頂いていたのですが、これは結構良かったです。どんな属性の人が興味を持ってくれているのか知れるという意味では、ゲムマやコミケのような即売会に近い体験でした。(自分と近い属性の人がフォローしてくれると「お前に会いたかったんだよ!」という気持ちになります 笑)また、書き写すときに新規フォロワーさんの数もカウントするようにしました。

抽選キャンペーンを行うためのツールがすでにいくつかありますが、無料のものに絞ると選択肢はあまりないようです。調べた中では あたるぞ というサービスが良さげな感じでしたが今回は採用を見送りました。

抽選方法

スプレッドシート上でアカウントに番号を振った上で RANDBETWEEN 関数を使いました。お手軽。

結果

RT数およびフォロワー数

  • 参加者数 : 210 RT
  • 参加者に占める新規フォロワーの数 : 114(54%)
  • フォロワー総数 : before 619 => after 776

フォロワー数についてはコミケなどの影響もありますが「参加者に占める新規フォロワーの数(114)」以上の効果があったようです。

リツイート数の推移

サークルメンバーへの情報共有の意味もこめて、適当なタイミングでその時のRT数をチャットに書き残していました。

f:id:susabi-games:20190810135845p:plain

これをグラフにしたものがこちら。綺麗な二次関数グラフですね。

f:id:susabi-games:20190810135904p:plain
累計リツイート数の推移

当選者様

ご本人様から掲載の許可を頂いたので掲載。

  • ゴクラクテン(@gokurakuten)さん
  • ズシオ(@zusio1235)さん
  • 赤 ねむい(@akamtgshogi)さん

おめでとうございます🎉順次発送させていただきます。

気付き

特定クラスタに刺さる瞬間が見える

同じ趣味や属性の新規フォロワーさんが数人続く時があり、「あ、今そのクラスタに刺さったんだな」というのが分かりました。人の繋がりがうっすらと見えるのはtwitter特有の面白さですね。

リマインドツイートは効果ある

全体の数%くらいはリマインドで参加して下さった方々でした。twitterを見る頻度や時間帯は人それぞれなので、適度なリマインドや再ポストはやはり効果的です。

RT専用アカウントによるリツイート

プレゼントキャンペーンのRT専用アカウントによるリツイートが全体の5~10%前後くらいでした。これ自体は悪いことだと思っていなくて、事実として。「RTキャンペーンに当選したいので沢山応募するけど、フォロワーのTL汚したくない」みたいな考えの人もいるでしょうし。

ただ、RTされる側からすると

  • 作品に興味を持ってくれているのか疑問
  • RTされた先では認知が広がらなそう

みたいなことを考えてしまいます。これはプレゼントキャンペーンの宿命なので受け入れていきましょう。

量産アカウントがいなかった

あからさまに自動生成されたような "量産アカウント" は見当たりませんでした。ある意味有名税みたいなものなので、弊サークルはまだ税が適用されていないということですね。もしくはプレゼントするものの単価が安いのでそういうのの対象になっていないだけかも。

まとめ・感想

「知ってもらう」という目的に対する手応えはばっちりでした。当サークルの活動は最低限の利益は確保するものの追及はしていないので、遊んでくれる方々に対してこういったキャンペーンや交流会の形で恩返しをするのを今後も継続的にやっていきたいです。

再販版『忍尾将棋』のコンポーネント変更&販売予定について

お知らせ(2019/12/7記):初版ご購入者様向け特別対応は2019年12月31日までの受付を以って終了となります。

以前当ブログでご報告させて頂きました通り、『忍尾将棋』はゲームマーケット2019春でご好評につき完売することができました。

susabi-games.hatenablog.com

当日にご購入頂けなかった方や終了後に知って頂いた方からTwitterなどで再販を待つ声を頂戴しており、『忍尾将棋』をお届けできるよう準備を進めてきましたがようやくその準備が整いました!全力を尽くした結果、パッケージ・プレイマット・コマと主要コンポーネント全てをリデザインすることとなりました。
こうして再販まで漕ぎつけたのも日頃から遊陽ゲームズを応援頂いている方々のおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。とりわけ初版をご購入頂いた皆様には駆け出しのサークルを支えてくださったご恩もありコンポーネント変更に伴うサポートを可能な限り対応させて頂く所存です。

当記事では、ゲムマ2019春で販売した「初版」と今回の「再販版」のコンポーネント変更の詳細、および、再販版の販売予定についてご報告します。

目次

初版からの変更部分

パッケージのデザイン変更

初版は市販の折箱にシール印刷したものを貼っていましたが、再販ではパッケージ印刷で制作しています。
サイズが一回り小さくなりデザインを変更。パッケージ上面の『忍尾将棋』の文字は金の箔押しで高級感のある感じになっています。

f:id:susabi-games:20190728192615j:plain
左:初版, 右:再販

プレイマットの素材とデザイン変更

初版のプレイマットは手作業のコストがとても高く量産が厳しかったため、再販では布印刷で制作しました。姫が式神を召喚するフレーバーを意識して、魔法陣と巻物をイメージしたデザインとなっています。

f:id:susabi-games:20190616182541p:plainf:id:susabi-games:20190728191932j:plain
左:初版, 右:再販

こちらはTwitterの評判が非常に良く、プレイマットのみの販売のご要望も多く頂きました。在庫数の兼ね合いから、こちらは初版をご購入の方に限って個別に対応させて頂きます。

コマの大きさとスリーブの変更

コマの大きさが50x50mmから48x48mmに変更になっています。これは原材料調達の都合での変更となります。

f:id:susabi-games:20190728191848j:plain
左:初版, 右:再販

現行のスリーブは内寸が50x50mmとなっており、それにぴったりとなる形でコマのサイズも決定されていました。このスリーブの選定理由は規定サイズのスリーブとしては唯一のハードスリーブであったことでしたが、今回再販のためにまとめ買いしたところ0.5~1mm程度の精度で加工がバラついてしまっていました(販売元に問い合わせたところ返品・交換には応じられないとのこと)。これではスリーブからコマがはみ出し傷つく原因となってしまいます。招待隠匿要素が重要な当ゲームではここは拘っていくべきところと考えています。購入した3000枚のスリーブを計測したところ3割以上は製品には使えず、このスリーブをコンポーネントとして使い続けるのは不可と判断しました。

上記の結果を受けて別のスリーブを探しましたが、供給の安定するものはカードサイズが48x48mm推奨であり50x50mmでは入らないことが分かったため、今回のサイズ変更となりました。

この変更の影響として、今後制作を予定している拡張コマと初版の『忍尾将棋』を混ぜて遊べなくなることが考えられます。ただし、拡張コマの制作においては印刷ロットの違いによる色ムラや印刷ズレなどの課題もあるため、現在解決策を検討しています。コマと一緒にスリーブに挿入するカードを制作する、透明でないスリーブを調達または制作する、といった案がありますが、いずれにしても初版をご購入頂いた方へ何らかの対応はさせて頂く予定です。

説明書の英語版を同封

説明書については若干の表記の修正がありますが、ルール自体は全く変わっていません

販売予定

以下の時期・方法にて行う予定です。

イエローサブマリン様においては審査が通っているのであとは丁合が終わり次第納品となります。

終わりに

だいぶ固い記事になってしまいましたが以上となります。記事中に書かせて頂いている通り、初版をご購入された方には今回のコンポーネント変更への対応(バラ売り)を個別に行わせて頂きますのでtwitterのDMにてご連絡ください

今後の活動ですが、ゲムマ2019秋では『忍尾将棋』の拡張セットに加えて新作ゲームも予定しています。また、体験会・交流会も定期的に開催していきますので、興味を持って頂けましたらそちらも是非とも宜しくお願いします!

「選択肢の幅」の観点でゲームプレイを考える

「選択肢の幅」を軸とするゲームプレイについて思いを馳せたので、考えたことをまとめます。前半部分はたぶん「まぁそうだよね」って感じのことが書いてあるので、目次を見て好きなところを読んでください。

目次

リソースとその変換効率

一口にゲームデザインといっても切り口は色々とあって広すぎるので他プレイヤーとの間で生じる リソースの奪い合い に焦点を絞ります。 ここで言う リソース はゲームによって異なりますが、例えば典型的なTCGでは以下のようなものが該当します。

  • ライフポイント
  • カード枚数
  • カード回転効率(マナカーブ)
  • 手数(テンポ)
  • 非公開情報

大抵のリソースは他の種類のリソースと価値を変換できます。カード1枚を使って相手のライフを2減らしたり、ライフを1点支払ってカードを1枚獲得したりします。チェスのキャスリングは本来数ターンかかるアクションを一手で済ませることができる価値が高いアクションです。価値の変換効率が高いほど強い カード/アクション であり、ブラフ要素やランダム要素を抜きにして考えると、基本的にはその状況下で最も強い カード/アクション やその組み合わせを多く使用したプレイヤーが勝ちます。言い換えると、勝利点への変換効率が高くなるようなゲームプレイをするということです。

選択肢の幅

プレイヤーは勝つために、コスパの高いカードやアクションを選択します。裏を返せば、高コスパのアクションを封じることで低コスパのアクションを相手に強制することができれば相対的に有利です。そのため、現在どのカードやアクションが選択可能かという「選択肢の幅」が考慮されることになります。これには以下の2つのアプローチが考えられます。

  • (1) 自分の選択肢を広げる(=狭めない)
  • (2) 相手の選択肢を狭める(=広げさせない)

どういったアクションが選択肢を増減させるのかはゲームによって異なるので、以下では拙作『忍尾将棋』を例に考えます。 『忍尾将棋』のルールはゲームマーケット公式ページで公開しています。

忍尾将棋(シノビショウギ) | 遊陽ゲームズ | 『ゲームマーケット』公式サイト | 国内最大規模のアナログゲーム・ テーブルゲーム・ボードゲーム イベント

忍尾将棋におけるリソース

『忍尾将棋』のゲームに関係するリソースを列挙すると以下のような分類ができます。

  • コマの数
    • 盤上のコマの数
    • 持ち駒の数
    • 盤上のコマと持ち駒の合計数
  • 非公開情報
    • 持ち駒
    • 盤上の『伏』コマ
    • ゲームから除外されたコマ
  • 手番のアクション
    • 盤上のコマ数
    • コマの移動距離

コマの移動距離について補足をすると、ゲームの勝利条件は相手の『姫』に自分のコマを重ねる(0距離に接近する)ことなので、距離の概念が入ってきます。「姫への不意打ち禁止」ルールは、特定状況下でコマの移動距離を0にするルールと言い換えることができます。

忍尾将棋における選択肢の幅を増減させるゲームプレイ

(1) 自分の選択肢を広げる(=狭めない)

コマの移動が阻害されないように効率良く置くことがこれにあたります。移動範囲が左側に広いコマは右寄りに置く、『姫』の前には斜めに下がれるコマを置くなど、その後のゲーム展開までを考慮して「死に駒」(後述)にならないようにする。

(2) 相手の選択肢を狭める(=広げさせない)

コマの種類(移動特性)による直接的な選択肢の増減以外では、主なものとして以下の3つのパターンが考えられます。

王手をする

一番分かりやすいのは「王手」。相手は必ず対応しなければならないので、相手の選択肢は数パターンに限定されます。 自分の『姫』が2列目に上がってしまうと相手からの王手を受けてしまいやすいので、『姫』を前線に上げる場合は慎重に行う必要があります。

死に駒を作る

2つ目は相手の駒を「死に駒」にすることです。例えば、以下の配置の場合の『鎌』がそれです。

「死に駒」は実質的に戦況に影響を与えないコマなので、1コマ少ない状態でゲームをすることになります。手番順と空きマスの状況を操作して、相手にコマの移動範囲と噛み合わない場所にコマを置かせることができればその後の展開が有利になります。

死に駒を戦線に復帰させるのは1~2手かかるので手番を余計に消費してしまいます。

f:id:susabi-games:20190718023649j:plain

アクション必須を利用して本意でない手を打たせる

最後は、相手の動ける範囲を狭めることで本意では無い手を打たせることです。毎手番で手を指さなければならないルールがあるため、手番が回ってくるタイミングとそのときの盤面の状況によって、相手の本意でない手を打たせる状況を作ることができます。

例えば以下のような盤面では、手前の赤姫にとっては

  1. 『姫』を動かすと負けてしまうのでそれは選択はできない。
  2. 盤上の『伏』コマを動かすことは相手の『伏』コマの種類とコマ交換を考慮するとリスクが高いので避けたい。
  3. 相手『姫』の左右のスペースに持ち駒を配置するのはコマ損に繋がるので選択肢外。

となり、実質的には持ち駒を3箇所の空きマスのいずれかに打つしかない状況と言えます。(ただし、『伏』コマのパターンなどによっては2の選択も可能性はアリ)

f:id:susabi-games:20190718195258j:plain (ちなみにこういう盤面は、製作時には「圧迫面接」と呼ばれていました)

まとめ

  • 他プレイヤーと奪い合うリソースを効率良く勝利点に変換できれば勝ちに繋がる
  • 勝利点への変換効率が高いリソースやアクションに関する選択肢を増減させるゲームプレイを考えることができる
  • 忍尾将棋おける「選択肢の幅」を操作するゲームプレイを考えた

最後までお読み頂きありがとうございました!

<2019/08/10 追記>
↓こういう死に駒の作り方もありますね

『忍尾将棋』第壱回交流会レポート

6/29(土)秋葉原KOTORAさんにて第壱回交流会を開催しました。

twipla.jp

目次

交流会のコンセプト

交流会中にも参加者の方にお話させて頂いたのですが、この交流会で大事にするのは「感想戦・考察の楽しさ」です。

  • あのときこうしていたら…
  • 仮にこう打っていたらその後はどうなる?

などなど、様々な展開を予想し備えることは、将棋・チェスやTCGなどの対戦型ゲームの面白さの一つです。プレイ時間よりも考察の方に何倍も時間を費やすということはざらにあります。ぼく自身、学生時代にマジック・ザ・ギャザリングにハマっていた頃はデッキ構築と仮想敵相手のシミュレーションだけを日が暮れるまで一人でやっていました。

考察と答え合わせのサイクルを繰り返すこと自体に楽しさがありますが、さらに感想戦を一緒にしてくれる相手がいると新たな気付きや学びがあります。一つのゲームに参加者が集う交流会では、そういった体験を大事にしたいと考えました。

プレイレポート

14時~集合&プレイ開始

参加して頂いたのはクオリアさん(@neko_shimosan)、ユウヤットさん(@YuyWahaha)、カミバヤシさん(@m_kamiB)の三人。主催のかくを含めた四人で組み合わせを変えながら一時間ほどプレイしました。プレイマットは、再販のためにテストプリントしたものを使って頂きました!

f:id:susabi-games:20190704002026j:plain

15時~ 小休止して別のゲームをプレイ

忍尾将棋はそれなりに頭が疲れるゲームなので1時間やると疲れる。。
カミバヤシさんが制作した『曇天/斬合』を持ってきていたので制作者にインストしてもらってプレイしました!

あと、ゲムマ秋向けの新作もちょろっとテストプレイして頂きました。

16時~ ミニ大会スタート

途中参戦したカードル♪のアカリちゃん(@cardol_tcg)を加え、かく以外の四人でミニ大会スタート。

f:id:susabi-games:20190704004535p:plain

決勝はクオリアさん vs アカリちゃん f:id:susabi-games:20190704001133p:plain

40分に渡る激戦を制し、クオリアさんが優勝!賞品として忍尾将棋Tシャツをプレゼントしました!! f:id:susabi-games:20190704000423j:plain

その後はスペースの利用時間に余裕があったので、かくとアカリちゃんが指導対局(?)みたいなことをしながら戦術について議論したり。
最後に参加者全員にオリジナルステッカーをプレゼントして交流会は終了しました。

感想戦・考察の楽しさ」について

交流会後、クオリアさんが考察ツイートをしてくれました。「普通は後手が受けに回るので攻めていけるパターンはないか」戦術を考えてくださっていました。こういう議論が増えていくと対戦ゲームはますます楽しくなっていきますね!!

また、珊瑚さん(@march05_)も定期的に忍尾将棋を研究して下さっています。この場を借りて感謝です!(関西で交流会開けるようになったら是非直接お礼を言いたい。。

交流会は今後も継続的にやっていきます。

次回交流会の予定

月1回くらいのペースでやっていきたいので次は7月28日頃を予定しています。ただ、再販のイエサブ委託が間に合えばイエサブ体験会に出展もあり得るので様子見中です(イエサブ体験会のtwiplaはまだ立っていないみたい)。なので、日付によっては単独の交流会は開催しないかもしれません。その次はコミケ後の8月末です。
あまり気合入れすぎても長続きしないので、まったりのんびりやっていこうとは思っています~

なお、交流会を開いてくれるという奇特な共謀者(?)はいつでも募集中です!
それでは!

『忍尾将棋』制作小話集

ゲムマ2019春で頒布した 忍尾将棋 について twitterに投稿した制作こだわりポイントのまとめです。

目次

コマの枠と背景デザイン

もしかしたらキャラ紹介の画像でお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、コマの枠とキャラ背景はいずれもそのコマの特徴に合わせたデザインになっています!

f:id:susabi-games:20190616182351p:plain

スリーブ付き

なんとコマ(カード)用のスリーブを標準で同梱しています!プレイ中やシャッフル時に折れたり傷が付かないように、という理由ですが、何度も遊んで欲しいという想いも込めています🙏
コマをチップとカードのどちらで作るかはかなり迷ったのですが、スリーブに入れられるというのはカードを採用する大きな理由の一つでした。
スリーブに入れると写真のような感じ。

f:id:susabi-games:20190616182457p:plain

プレイマット

  • コンパクトに収納できる
  • 折り目を気にしなくて済む
  • コマ(カード)をストレスなく取れる

など、プレイ感を考慮して厚めの生地で作りました。
ハトメで格子を表現するのはちょっとした発明だったのですが、手作業で作るので大変(^_^;)

f:id:susabi-games:20190616182541p:plain

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/susabi-games/20190616/20190616184146_120.jpg ハンマーで叩いてハトメを固定するのは数が多いとかなりの重労働です。

家紋

家紋は以下の2つの課題を同時に解決するアイデアとして生まれました。

  • 2回戦を始める時に忍コマと姫コマをうっかりシャッフルしてしまう(デザインがあると裏向きのまま探せる)
  • 姫は『伏』にならないので裏面のデザインが寂しい

f:id:susabi-games:20190616182601p:plain

この家紋は姫の衣装にもあしらわれています。

f:id:susabi-games:20190616182621p:plain f:id:susabi-games:20190616182632p:plain


他にも色々と試行錯誤やこだわりがあったりしますがこの辺で。
気が向いたら制作の紆余曲折的な記事も書こうかなと思っています~

ゲムマ2019春『忍尾将棋』完売御礼!再販&次回作について

5/25(土)のゲームマーケット2019春にて、遊陽ゲームズは一作目となる『忍尾将棋』を頒布し、開始40minほどで完売することができました!

初出展で知名度も無い中で予定数を売り切ることができたのは自分達でも驚きでした。特に、ゲムマの前週であれほど予約が伸びるとは思っていませんでした。

ご購入頂いた皆さま、大変ありがとうございました。(予約分も14時には全員が受け取りに来て頂きました!) また、完売後に来て下さった方や試遊で面白いと言って下さった皆さまにお渡しする分が無かったのは本当に申し訳ありませんでした。

再販について

ゲムマ当日に試遊した多くの方に「面白い」と言って頂いた他、ゲムマ後も再販のお問い合わせを多数頂いており、自分たちの作ったゲームが面白いという自信を持つことができました。「面白い」「欲しい」と思って頂いた方に手にとって頂けるよう再販の検討を進めてきましたが、 7月下旬頃 を目処に再販できそうな目処が立ってきました!

コミケC96 遊陽ゲームズのブース での頒布する他、通販等での委託販売も予定しています。より詳細な情報が決まりましたら twitterの方 で告知させて頂きます。

また、今後は月1回程度の交流会を開催していこうと思っており、もし間に合えば7月の交流会でも頒布できるかもしれません。 第一回目の交流会は 6/29(土)@秋葉原 で絶賛参加者募集中です!

次回作について

ゲムマ2019秋向けのゲーム作ってます! 次も2人対戦の読み合いゲーとなりそうです。

ゲーム制作は作って壊してを繰り返してなんぼですね! それではまた!

サークル立ち上げ時に考えたこと

はじめまして、ゲームデザインを担当している かく です。

遊陽ゲームズは2018年12月に かく、IWS、ざき の3人で結成しました。この記事は遊陽ゲームズの最初の投稿であり、サークルをなぜ立ち上げたのか、立ち上げた時に何を考えたか、などの経緯や想いを綴ったものです。

目次

なぜゲームを作ろうと思ったのか?

まずはこの問いからスタートでしょう。 クリエイターなら誰しも「何かを作るのが楽しい」「作品を誰かに見てもらいたい」という欲求があると思いますが、ぼくもその例に漏れません。

モノ作りが楽しいから

モノを作るというプロセス自体が好きです。この原体験は小学生のときにクロッキーに書いたパズル・迷路・ゲームやRPGツクールだろうと思います。次から次へと出てくる課題をクリアして作品を改良していくと、それは作者にとってかけがえのない宝物となります。以前動画サイトに動画をアップロードしたときは自分で50回くらい再生しました。完全に自己満足ですね(笑)

作品を通して発生する(であろう)インタラクションが楽しいから

作品を世に出すというのは他には得られない体験です。自分の作品を中心に発生するインタラクションを想像するとワクワクします。ゴキブリポーカーでカードを差し出すときや、TCGで呪文の応酬が始まる前の「この先どうなってしまうんだろう」という高揚感には似たようなものを感じます。

また、承認欲求も作品を公表するメジャーな理由の一つでしょう。承認欲求という言葉は一時期はクリエイターを煽ったり戒めたりするものとして使われる風潮がありましたが、ぼくはマイナスイメージでは捉えていません。クリエイターにとって、承認欲求は良い作品を生み出すための強力な推進力だと思います。

作り続けたいから

前述のように、作品にはそれ自体の改善サイクルと作品の周囲で発生するフィードバックがあり、作者はそれらと向き合うことになります。次々と出てくる課題を解決するのは面白いし、その過程で起こる様々な発見や驚きは替えがたい体験となります。

ところで、アラサーとなると職場では徐々にマネジメントの仕事が増え、プロダクトへの関わり方もより間接的なものになります。モノづくりの楽しみを忘れないためにも「作る」という活動を継続的にやっていく必要があるという危機感がありました。

なぜボードゲームか?

ぼくはかねてよりボードゲーム、特に将棋とマジック・ザ・ギャザリングが好きだったので、創作の対象としてボードゲームを選ぶのは必然でした。

ボードゲーム制作の特徴は以下の二つがあると思っています。

  • アナログという制約により要件がシンプルになる。デジタルと比較すると表現の幅が狭いのでアイデアがものを言う。
  • 上記の制約により、モック制作が容易で改善サイクルが速い。

ゲームという題材でありつつも、デジタルと比べて少人数で機動的に作ることができるのは、規模や難易度の面で「ちょうど良い塩梅」でした。 あとはやはりアナログならではの良さです。エンドユーザの顔が見えるというのはやりがいがあります。

なぜサークルを立ち上げたのか?

これは分かりやすく「良いものを作るため」です。一人で出来る範囲には限界があるので、自分とは異なるスキルを持ったボドゲ好きな仲間を集めることにしました。個人サークルさんで全てを一人でやってしまう方もいますが、そういった方は心から尊敬します。

また、他者を巻き込んで後戻りできない環境に身を置いて自分にプレッシャーをかけることでダラけずに活動を続ける原動力にする、という意図もありました。ちなみに、ゲームが完成する目処が立っていない段階で出展の申し込みもしていました。背水の陣です。

大事にすること

遊陽ゲームズは、特定の明確な目的の下に集まった「ビジョン型チーム」ではなく、気の合う仲間と何か出来ることをやる「価値観型チーム」です。

何をするかより誰とするか

メンバーを探す上では「何をするかより誰とするか」を何よりも重視しました。作るモノやスキルの観点から集まったチームは、短期で活動するプロジェクトチームとしては良いです。ただ、「作り続けること」を前提に長く活動しようと思うとそれよりも仲間を信頼できるかの方が重要になってきます。例えゲームの制作や販売が上手くいかなくても、一緒に活動していて楽しい仲間がいればそのような問題は些細なことでしょう。

幸いなことに職場の同僚で気の合う仲間を見つけることができたいので、メンバー探しでの苦労はありませんでした。 

コミュニケーションを大事に

せっかく「一緒に創作をしたいと思える仲間」を集めても些細なことで問題になるのは勿体無いので、ここは結構気をつかっています。親しき仲にも礼儀あり、というやつです。大抵の問題はコミュニケーションのスレ違いから起こります。気持ちよく活動するために、日頃から以下の4つを大事にしています。

  1. お金周りはクリアに
  2. 思考を開示しよう
  3. お互いの成果を誉め合おう
  4. 定期的に口頭で話す

よくあるトラブルは「そんなの聞いてないよ」というヤツかと思います。もっと早く言ってくれたら、効率良く/クオリティ高く できたのに…と。日頃から "悩み" や "決まってないけど考えていること" を共有することによって、こういう問題を防いでいけるのではと思い、チャットではひたすら考えたことを垂れ流しています。また、週に1度は必ずボイスチャットなどで近況報告や雑談をしています。

サークル名の由来

由来は「遊び(すさび)」という言葉です。

すさび [0] 【荒▽び・遊▽び】
〔動詞「すさぶ」の連用形から〕①
物事の進んでいく勢いにまかせること。事の成り行きにまかせること。 「ある時はありの-に語らはで恋しきものと別れてぞ知る/古今六帖 5」
②
心のおもむくままに物事をすること。慰み。遊び。すさみ。 「筆の-」 「老の-」 「はかなき-をも人まねに心をいるる事もあるに/源氏 帚木」 

三省堂 大辞林 より

心のおもむくままに物事をすること。

この牧歌的な開放感こそ、趣味で創作を続けるのに相応しいスタンスと考えました。

また、遊びの「び」を「陽」にしたのには「陽が暮れるまで遊ぼう」というメッセージを込めています。ロゴのサイコロから伸びる長い影がそれを表現しています。

f:id:susabi-games:20190404023915j:plain

まとめ

  • 創作は楽しい。創作活動を継続的に行う場が欲しかった。
  • 作品のクオリティを高め、創作に対する動機付けを強めるためにサークルを立ち上げた。
  • 「何をするかより誰とするか」を重視し、コミュニケーションを大事にする運営スタイル。
  • サークル名には「心の赴くままに活動する」「陽が暮れるまで遊ぼう」という想いを込めた。

遊陽ゲームズはまだ走り出したばかりです。活動のアウトプット(ゲーム)において何を大事にしてどういう価値を届けていくのかは、ゲームを作り続けながら見つけたいと思います。まずは自分達が面白いと思うものを面白がりながら作っていきます。

以上です。ここまでお読み頂きありがとうございました。